【報告】10周年記念フォーラム報告(2)

「ジャパンアートマイル10周年記念フォーラム」の報告2回目です。フォーラム第二部では、グローバルに活躍しておられる文部科学省・外務省・JICA・企業のパネリストが「世界の人々と協働して未来を創造する」をテーマにパネルディスカッションを行いました。パネリストのスピーチを紹介します。

【第二部 パネルディスカッション】

テーマ:「世界の人々と協働して未来を創造する」

日本の未来・世界の未来のためにグローバルに活躍しているパネリストが、これから私たちはどういう世界を生きていくのか、世界の人々と一緒にどんな未来を創っていったらいいのか、どういう「世界観」「未来観」を持ってこれから生きていけばいいのかについてディスカッションしました。

 

<パネリスト>
鈴木  寛 (文部科学大臣補佐官)
三上 正裕 (外務省大臣官房参事官)
田中 雅彦 (独立行政法人国際協力機構広報室長・JICA地球ひろば所長)
大久保 昇 (株式会社内田洋行代表取締役社長)

※コーディネーター 稲垣 忠(東北学院大学准教授)

【パネリストのスピーチ】

鈴木寛氏
OECD(経済協力開発機構)のEducation 2030に関わっている。2030年頃は多くの仕事が人工知能に置き換わっているだろう。その時に人工知能では代替できない人間にしかできない仕事は何か?OECDではそれを「Collaborative problem solve 協働して問題を解決する力」であり、「Global Competency 違った文化の人達と協働する力」だと言っている。自分はこの人間にしかできない仕事を「Creative Collaborative Art Work」と呼んでいる。これから人間に必要とされる力は、無から有を生む「Creation」、違うバックグラウンド、違う才能を持った人達が協働して一つの形を作る「Collaboration」であり、唯一無二の存在同士が出会って一期一会の事を成し遂げる「Art Work」である。未来を考えるとこれからはそうした Creative Collaborative Art Worker を育てなければならない。

三上正裕氏
東西冷戦崩壊直後アメリカ主導で自由民主主義が広がれば安定すると思われたが、25年経ってみるとアメリカの力は低下し世界は多極化と混乱の時代となっている。自由民主主義+市場経済が壁にぶちあたり、テロが多発する不安定な社会では、軍事力のようなハードパワーだけでは問題を解決ができない。これからの世界の問題解決には国家としての魅力「ソフトパワー」が重要だ。日本はソフトパワー(伝統、文化、食、科学、サービス等)が非常に優れており、その力で世界の安定に貢献ができるはず。ただし、世界を見ずに自己満足して傲慢になってはいけない。外を見て世界に学ぶ姿勢を持ち、日本を相対化して客観的に見ることが大切。

田中雅彦氏
私たち日本人の生活は途上国の産業の上で成り立っていることに目を向ける必要がある。2030年頃は絶対的貧困は減少するが、国は発展しても格差は拡大するだろう。格差問題の解決は今後も重要な課題だ。これから必要なグローバル人材は、多文化適応力+コミュニケーション力+問題解決力を持つ人である。日本人は「知」と「経験」を海外に輸出して、その国の人々と「Co-creation(共創)」して問題解決するのがいい。一方、グローバル化とは外へ出て行くだけでなく、日本の中に移民・難民を受け入れることでもある。一国平和主義から脱却して、移民・難民を受け入れ、グローバルな国になるべきである。

大久保昇氏
16年前に初めて海外視察をしたときに、海外のIT教育がいかに進んでいて日本がいかに遅れているかに驚いた。そのとき、世界から学ぶことが多かったが、それ以上に日本を客観的に知ることができた。これからの日本を考えると「2020年危機:人口問題の顕在化、少子高齢化」が目前だ。日本にいても世界にいてもグローバル化の波は来る。もう日本がグローバル化し、世界を受け入れて多国籍化するしかない。日本の特性を活かして他国とどう組み合わさるかを考えるべきである。違う者同士が協働しようとすると「Conflict(衝突)」があって当たり前。Conflictを解いて相互理解を深め、問題を解決していくことが重要である。

【コーディネーターの紹介】

稲垣忠氏

パネリストの話を即時に的確にまとめ上げるコーディネート力の高さには定評があり、鈴木寛氏が「すごいっ!これはもう職人技、達人というしかない」と感嘆の声を上げてうなったほど。フィールドの異なるパネリストの様々な視点からの話を分かりやすく見事にまとめてくださいました。

【会場の様子】

グローバルな次世代てる

アートマイルの国際協働学習

アートマイル国際交流壁画

共同制作プロジェクト

 

【後援】文部科学省・外務省

【協力】国際協力機構JICA

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