【報告】生徒国際イノベーションフォーラム2017

8月2日~4日に国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された「生徒国際イノベーションフォーラム2017」(OECD日本イノベーション教育ネットワーク主催)には9カ国から320名の生徒・教師が参加して、世界が抱える問題とこれから自分たちが創る未来について熱い議論が交わされました。JAMは会場で壁画を展示し、4名の高校生がアートマイルの取組を発表しました。

International Student Innovation Forum 2017

生徒国際イノベーションフォーラム2017
https://innovativeschools.jp/international-student-innovation-forum/

【日時】2017年8月2日~4日
【会場】国立オリンピック記念青少年総合センター
【主催】OECD日本イノベーション教育ネットワーク

 

ジャパンアートマイルは「OECD日本イノベーション教育ネットワーク」で“革新的な教育の実践者”としてボランタリークラスター(Voluntary Cluster)という位置付けです。今回の「生徒国際イノベーションフォーラム2017」では、会場でアートマイル壁画3点を展示し、4名の高校生がアートマイルの取組を発表しました。

 

【JAMからの参加者】

・神戸大学附属中等教育学校:生徒2名、教師1名(Language Support スタッフ)

・兵庫県立大学附属高等学校:生徒1名

・海星学院高等学校:生徒1名

・パリ政治大学:学生1名(Language Support スタッフ)

・ジャパンアートマイル実行委員会:2名

【会場でアートマイル壁画展示】

世界の仲間達と「自然」「伝統文化」「平和」等について議論し学び合った国際協働学習の目に見える成果物である壁画をホールで展示しました。

【ブースでアートマイルの取組を発表】

ブースでは、日本の各地、世界の各国から集まった高校生達に英語でアートマイルの取組を説明しました。次々とブースに人が訪れてすごい熱気です!

鈴木寛氏もブースに来てくださいました。

アートマイルの先輩で現在パリ政治大学に通っている大学生が夏休みで帰国中、Language Supporterとして会議の助っ人に来てくれました。

【グループディスカッション】

現代社会で世界共通の課題についてグループに分かれてディスカッションしました。アートマイル参加校の高校生も英語で悪戦苦闘しながら自分の意見を言っていました。


<グループワークのテーマ>
1. Climate change. 気候変動
2. Sharing the future of energy. エネルギー問題
3. Refugee and migrant crisis. 難民、移民
4. Education in a fast changing world. 変わりゆく世界における教育
5. Sharing the future of media. メディアの将来
6. Global aging. 高齢化社会

【参加した高校生の感想文】

『International Student Innovation Forum 2017 』に参加して」

兵庫県立大学附属高等学校1年 島田 彩良

International Student Innovation Forum (ISIF) 2017 では学ぶべきことがたくさんあり、とてもいい経験になりました。

ポスターセッションではどのクラスターもとても印象的でした。自分たちでその地域のことを考えて解決策を出し、行動をしていました。中にはそれで終わりではなく、今度は自分たちが運営側となり、次の人たちへと受け継いでいくということをしているクラスターもありました。私はこのようなことをしたことがなかったので、いろいろなクラスターを見てすごく感動しました。自分たちで考えて行動することは大切なことだと感じました。私の学校でもぜひ取り組むべきだと思います。

グループワークとラウンドテーブルでは英語の壁をものすごく感じました。コミュニケーションをとるためには単語を並べただけの英語でも言いたいことは伝わります。しかし、議論するとなるとそういうわけにはいきませんでした。きちんと頭の中で文を組み立てなければなりません。今回は外国の方々が助けてくださいましたが、もっと大きな会議になるとこのようなことは絶対にできません。また、議論は英語で進んでいきます。そのため外国の方々と同じくらいの英語力がないと議論に参加することもできません。私はついていくのに必死であまり発言することができませんでした。もっと英語を勉強しないといけないと思いました。そして、世界で何が起こっているのかをもっと知っておくことが必要だと思いました。私はあまりニュースや新聞をみる習慣がなかったので、今回トピックを選ぶのに困りました。もし毎日みていればすぐに選べたと思います。ニュースや新聞をみて、自分の意見を持っておかないと議論には参加できません。これからはもっと世界のことに目を向けたいと思います。

異文化交流会では外国の方々とコミュニケーションをとったり、トルコ・エストニア・ニュージーランドの踊りをみんなで踊ったり、見たりしました。いろいろな国の文化を知ることができたので良かったです。また、たくさん友達を作ることもできました。

正直なところ前日まではとても不安でした。しかし、参加したことでたくさんのことを学ぶことができ、とても刺激をもらった3日間でした。この3日間で学んだことを忘れずにこれからもいろいろなことを頑張っていきたいと思います。またこのような機会があれば参加したいです。

 

 

『生徒国際イノベーションフォーラム2017(ISIF 2017)』に参加して
神戸大学附属中等教育学校 5年 小谷 栞奈

私は、今回2016年度の「アートマイル」の報告者としてこのISIFに参加しました。このフォーラムでは、ドイツ、シンガポール、トルコ、アメリカ、インドネシア、ニュージーランド、フィリピン、エストニアの海外のクラスターと、東北、福井、和歌山、広島、島根の隠岐島前、高専のクラスターと、私たちボランタリークラスターがそれぞれ活動した内容を発表しました。私たちは、英語で海外の方にアートマイルの説明をしました。たくさんの方が興味を持ってくださいました。実際に会場に展示されている壁画を見てもらうとみんな圧倒されている様子でとても嬉しかったです。


また、アートマイルだけではなく、私たちの学校のスーパーグローバルハイスクール(SGH)に関するたくさんのプログラムについても興味を持ってくださいました。私も他のクラスターの発表を聞いて、他の学校がどのようなプログラムをしているのかを知ることができ、とてもよい機会になりました。


このISIFでは、活動の報告以外にも、文化交流やグループディスカッションを行いました。ディスカッションでは、「気候変動」、「エネルギー」、「移民・難民」、「教育」、「メディア」、「高齢化社会」6つのトピックに分かれて、そのトピックについて深く考えて私たちは未来をどうしていくべきなのかについて議論しました。私は「エネルギー」を選択しました。議論では、エネルギーに関する地球温暖化や原子力発電の放射線などの問題が取り上げられました。これらの問題解決のためには、私たち若者が、もっとエネルギーについて知識を深めるために、エネルギーに関する教育を推進していくべきであるということ、身近なところから私たちができることを行なっていくべきであるという結論に至り、有意義な話し合いになりました。これらの議論を通して、国や文化の違いからも意見は変わってくるということがわかりました。シンガポールや他のクラスターの方と議論した時に、自然環境、歴史、政治の仕組み、宗教、人種の違いによって意見が違っていて、とても興味深かったです。また「地方創生」の取組をした方の話を聞く機会があり、実際にどのようなことをして地方創生を行なうのかを知り、今後このような取組を行うためにどのような力が必要なのかを学ぶことができました。


今回の交流活動の目的は「将来『グローバルキャリア人』になるために必要な力をつけるためのものなのではないか」と考えました。自分たちの未来のために活動しなければならない時に、文化の異なる外国の人たちと関わる機会が増えていくと思うのですが、多面的に物事を捉えることが大事だと思いました。みんな意見が違うのは当たり前だから、自分の意見も持ちつつ、いろんな立場に立って物事を考えることが必要だし、たくさんの国の背景を知り、問題の解決策を探っていくことが重要だと考えさせられました。また、自分の意見を発信していくための「プレゼンテーション力」も大事だとわかりました。この経験を今後に活かして行きたいです。


『生徒国際イノベーションフォーラム2017(ISIF 2017)』に参加して
神戸大学附属中等教育学校 5年 劉 あかり

今回のフォーラムで得た経験はたくさんあります。本フォーラムには、インドネシア、シンガポール、ドイツなど様々な国の学校が参加しており、私たち日本人の学生が外国人学生と交流する様子を見て新鮮味を感じました。私の学校は、文科省よりスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定されており、普段から外国の学校と関わる機会は多いのですが、今回は泊まりがけで、英語でディスカッションをしたり、文化交流をしたりすることによって誰かに頼るのではなく、自ら進んで英語を使ってコミュニケーションをとったりすることは初めてで、学んだことがとても多かったです。


私が一番今回のプログラムで一番興味を持ったこと、驚いたことは、世界中の様々な文化、習慣の違いです。私は今までSGHのプログラムを通してインドネシアや台湾などそれぞれの国の文化を見てきましたが、今回はアジア、ヨーロッパ、アメリカから多くの学校の生徒が一つの場所に集まって行動を共にしていたので、文化の違いをはっきりと見ることができました。特に一番興味があったのはインドネシアから参加したムスリムの生徒との交流です。私自身、ムスリムをテーマにして課題研究を進めていたので、ムスリムの文化、習慣はある程度知っていましたが、今回実際に生活を共にして、私が知らなかったこと、彼らが異文化にどう対応しているのか自分の目で確かめることができました。食事面において、ムスリム教徒は「ハラールフード」しか食べられないため、私達が食べていた食事の中でも食べられるもの、食べてはいけないものを分別してもらってから食べていたり、入浴の時も、大浴場ではなく、人目につかないように別にシャワーを浴びたりしていました。他の外国人生徒、また広島、東北など他の県からきた生徒から知らなかったそれぞれの地域の文化を教えてもらい、全く知識のなかった国の文化について、そして同じ日本でありながらも多様な文化があることを知ることができました。


参加生徒とのコミュニケーションについては、主に日本人と外国人学生ミックスでディスカッショングループワークの時に英語を使いました。一番最初に行ったディスカッションでは、私のグループの日本人生徒は誰も英語で話すことはなく、私自身も恥ずかしくて、発言することができませんでしたが、時間が経つにつれ、英語で会話を進めることができました。次のディスカッションでは、グループ内に英語で積極的に話す人が多く、私も積極的に英語を使うことができました。また、そこでは外国人学生と趣味が合い、英語でスムーズに会話を行い、楽しむことができ、共通の話題を作るためにも幅広い知識は必要であることを実感しました。


今回のイベントで、もっと英語でスムーズに、楽しく会話をしたいという気持ちが大きくなりました。グローバル化が進んでいる中で、これからもっと他国の文化について知るだけでなく自分の国の他の地域の文化についても理解を深め発信していく必要性を感じました。

 

 

生徒国際イノベーションフォーラム2017』に参加して
海星学院高等学校1年 押切 はな

 

このフォーラムに参加して、私はたくさんの刺激を受けました。参加者の中には同年代で英語を話せる人や、自分の意見や考えをしっかりと述べられる人が多く、これからグローバルに活躍していくのはこのような人たちなのかと感じました。グループワークを行ったとき、私は英語がわからないということもありましたが、それ以前に自分の意見を持つことが難しく、あまり発言することができませんでした。ディスカッションができないのは以前からの課題ではありましたが、改めて必要な能力だと痛感しました。また、さまざまな国の人の、世界の問題に対する考えを聞けたことで、普段自分がいる世界がいかに小さいものだったのかと感じ、よりたくさんの人と関わり、よりたくさんのことを学びたいと思うようになりました。

さらに、フォーラムを通して世界だけではなく、日本にも興味を持ちました。日本のクラスターはどこも自分たちの地域の活性化や問題解決に貢献しようと、中高生がアイディアを出し合いながら様々な活動をしており素晴らしいと思いました。各ブースでは活動だけでなくその地域の魅力なども発表していましたが、同じ日本のことなのに知らないことだらけでした。また、参加者がそれぞれの地域の方言を使っていて新鮮でした。特に3日間一緒に活動した3人は関西弁を使っていましたが、普段聞き慣れていないので違和感がありました。そこで、私が日常的に使っている言葉には方言があまりないと思っていましたが、通じない言葉があったことに驚きました。同じ日本の中でも住んでいる地域が違うだけで言葉や文化も全く違い、知らないことがたくさんあると分かりました。他にもまだまだ知らないことだらけだと感じたので、これからは世界についてだけでなく日本についてもさらに学んでいきたいと思いました。

このフォーラムに参加できたことは私にとってとても貴重な経験になりました。全体を通して自分が生きている世界がとても狭いと感じ、もっといろいろなことを知りたいと強く感じました。そのためには共同宣言にもあったように、言語を学校のテストのために勉強するのではなく、コミュニケーションのための重要なツールとして学んでいきたいです。そして言語を使って様々な人と関わり、自分のコミュニティを広げ、たくさんのことを学びたいです。さらに、ただ学ぶだけでなく学んだことを地域や国、世界のために使っていきたいです。今回のフォーラムで感じたことや、学んだことをこれからの生活にしっかりと役立てていきたいです。

このような貴重な経験の場を与えていただいた塩飽様に感謝しております。ありがとうございました。

 

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